インプラントを長持ちさせるメインテナンス方法は?
治療後、正しくメインテナンスを行えばインプラントは高い確率で10~15年もつといわれています。一方、メインテナンスを怠ると、インプラントが破損したり抜け落ちたりする可能性が高くなるため注意が必要です。最悪のケースでは、再びインプラント手術を受ける必要があります。
本コラムでは、インプラントを長持ちさせるためのメインテナンス方法について解説しています。インプラント治療をなかなか決断できない方は、ぜひ参考にしてください。
メインテナンス方法①「毎日の正しいセルフケア」
インプラント治療後のメインテナンスは、主に毎日のセルフケアが中心となります。セルフケアでは、丁寧なブラッシングを心がけてください。
ブラッシングは、歯ブラシに力を入れすぎず、毛先をインプラントや歯の表面、歯と歯茎の境目に当てて細かく動かします。歯ブラシをペンのように持つと余計な力が入らず、インプラントや歯茎を傷つけません。1本の歯やインプラントに対し、歯ブラシを10回程度往復させるイメージで磨くと、磨き残しが減ります。使用する歯磨き粉は、できるだけ研磨剤が含まれていないものを選びましょう。研磨剤を使用するとインプラント表面が傷ついてしまうため、成分をよく確認してください。
また、歯ブラシだけでは取り除けない歯垢もあるため、デンタルフロスや歯間ブラシ、タフトブラシでのケアも同時に行いましょう。デンタルフロスや歯間ブラシは、歯と歯の間を磨くのに適しています。タフトブラシは毛先が一束だけの歯ブラシで、奥歯や歯の凹凸などの細かな部分を磨けるのが特徴です。
メインテナンス方法②「定期的な歯科医院でのメインテナンス」
歯科医院でのメインテナンスの頻度は、3~6ヵ月に1回程度がよいといわれています。その期間は患者様の状況ごとに選択します。ただし、痛みや腫れなどの症状がある場合は、次の受診日を待たずに歯科医院を受診しましょう。
歯科医院でのメインテナンスでは、口腔内の歯垢や噛み合わせなどのチェック、レントゲン撮影で骨や歯根の確認、クリーニングを行うのが一般的です。口腔内の状況に応じて、専用の機器によるクリーニング「PMTC」を行う場合もあります。また、自宅でのセルフケアが不十分である場合、ブラッシング指導も行います。毎日のブラッシングだけではどうしても磨き残しが出るため、インプラント周囲粘膜炎やインプラント周囲炎などを引き起こす可能性があります。口腔内のトラブルにいち早く気づき、適切な治療を受けることがインプラントを長持ちさせるポイントです。
セルフケアを徹底しているから大丈夫だと過信せず、定期的に歯科医院でのメインテナンスを受けましょう。
- Q1 インプラント治療を受けた歯科医院以外でもメインテナンス可能ですか?
- A1:条件が合えば、インプラント治療を受けた歯科医院以外でもメインテナンスはできます。条件とは、埋入しているインプラントの種類や、他院で治療したインプラントのメインテナンスに対応しているかの2点です。受診するときは、メインテナンスだけの対応が可能か、あらかじめ確認するとよいでしょう。
- Q2 インプラントの寿命がきたらどうしたらよいですか?
- A2:寿命がきたインプラントは継続して使用できません。再度インプラント手術を受けるか、ブリッジや入れ歯などに変更するかの選択をしましょう。インプラントに保証がついている場合は、保証期間内に限り新しいものと交換または修理が可能です。