歯科医師はみんなインプラント治療ができるか?
インプラント治療は近年需要が高まっており、人気の治療方法ですが、どのクリニックでも行なえるわけではありません。そもそも歯科医師であれば、誰でも治療ができる、というものではないのです。
インプラント治療を希望する場合は、その治療が行なえるインプラント専門歯科医師の在籍するクリニックに通わなければいけません。インプラント治療は手術が必要な難しい治療です。高度で幅広い知識のあるインプラント専門歯科医師でなければ対応が難しく、口腔外科、補てつ治療、歯周病、臨床検査といった幅広い分野の専門知識、治療技術が必須となるからです。
そしてひとくちにインプラント治療といっても、患者さまの状況や希望によって治療方法は異なります。特に、上下に複数本のインプラントを埋め込む治療、顎の骨が足りない場合の骨再生誘導法などはより高度な知識や技術が求められます。患者さまに合った治療方法を判断し、実行する必要があります。
日本口腔インプラント学会という機関が厳しい審査や研修のもとで、インプラント専門医やインプラント専修医を認定します。一度試験を受けて合格すれば資格を取れるというわけではなく、いくつもの基準が存在します。
- ・5年以上日本歯科医師会の会員であること
- ・専門医教育講座を 3回以上受講し、学会学術大会及び支部学術大会に 8回以上参加していること
- ・ケースプレゼンテーション試験に合格し、本会学術大会又は支部学術大会において 2回以上発表を行なっていること
- ・口腔インプラントに関する論文を、本会学会誌、もしくは委員会が認める外国雑誌に1編以上発表していること
などが条件になります。
したがって、インプラント治療について継続して学び、研究し、経験や知識を積み重ねていかなければならないのです。こうした高度な専門知識、技術のある歯科医師であれば、安心してインプラント治療を任せられるでしょう。信頼できる歯科医師のいるクリニックを見つけ、通い続けることはお口の健康だけでなく、身体の健康のためにも重要なことです。