歯科コラム Column

事故で歯が折れたり抜けたりしたとき、どのようにしたら良いのか分かりませんよね。日頃から万が一に備えて対処法を把握しておくと安心です。本コラムでは、事故などにより歯が折れたり、失ったりしたときの対処法をご紹介します。また、インプラントでの治療ができるのかどうかについても解説していますので、参考にしてください。

事故により歯が折れる・失う状況になった場合の対処法

事故で歯が折れたり抜けたりした場合、極力乾燥させないように保持して、すぐに歯科を受診する必要があります。歯を慌てて水でこすり洗いしたり、患部に触れたりするのは危険です。特に、歯をこすり洗いしてしまうと、歯根膜の細胞が破壊され、元に戻せなくなる可能性が高まります。歯を洗うかどうかは歯科医師によって意見が異なりますが、砂や汚れがついている場合もむやみに洗わないのがよいでしょう。

欠けたり抜けたりした歯は適切な方法で保存し、すぐに歯科を受診する必要があります。牛乳がある場合は歯を牛乳に浸し、牛乳がない場合は舌の下に挟んでおきましょう。患部（歯茎）は舌で触らず、出血している場合は圧迫または冷却して止血します。歯が欠けた場合、少し欠けた程度だと受診をためらう方もいますが、欠けたまま放置すると嚙み合わせが悪くなったり、時間とともに欠けが大きくなってしみたりします。歯のダメージが大きくなる前に適切な処置を受けましょう。

インプラントで機能的・審美的に治療可能なケースもある

歯が折れたり大きく欠損している場合、歯科での治療方法の1つにインプラント治療が挙げられます。骨までダメージを負っているケースでは、骨の造成や軟組織の修復も必要になる可能性が高いです。インプラント治療では機能的にも審美的にも改善され、その他の治療方法に比べて治療後の快適度が高くなります。差し歯や入れ歯のように取り外してケアしたり、ブリッジのようにまわりの歯にダメージを与えたりしなくて済むのが嬉しいポイントです。

しかし残念ながら、すべての歯科医師が対応するのが困難な治療でもあります。前歯に関してはインプラント治療の難易度は高く、見た目にも大きな影響を与える部分であるため、慎重に治療しなければいけません。インプラント治療は費用が高く、ほかの治療方法に比べると難しい治療になるでしょう。しかし、予後を考えると患者様にとってメリットが多くあるため、歯科医師と相談のうえ、ぜひ選択肢としてインプラントを検討してください。

Q1 歯が少し欠けた場合でも受診した方がよいですか？

A1 歯をぶつけて欠けた場合、程度に関係なく歯科を受診しましょう。見た目ではわからなくても、歯が大きなダメージを受けていて、後から強い痛みを感じるケースがあります。また、痛み以外にもトラブルが発生する可能性があるため、軽く見ず早めに受診してください。

Q2 前歯が抜けたとき、インプラント治療以外の治療方法には何がありますか？

A2 前歯が抜けた場合は、インプラント・ブリッジ・入れ歯の3種類から治療方法が選択されます。それぞれメリットとデメリットがあるため、医師と相談のうえ治療方法を決めましょう。ただし、歯の状態によっては選択肢がない場合もありますのでご注意ください。