マイクロエンド
(精密根管治療)
Microend
マイクロエンド(精密根管治療)とは
根管治療は、歯の神経である歯髄(しずい)にまで進行した重度の虫歯に対し、根管とよばれる管状の組織のなかから細菌に感染した歯髄を徹底的に取り除くことで、抜歯を回避する治療です。
そして、マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)や歯科用CTを用いてより精密に処置を行なう根管治療のことを、「マイクロエンド(精密根管治療)」といいます。
根管は非常に細く複雑な形をしているため、裸眼による病巣の確認や歯科医師の指先の感覚に頼った処置では、感染した組織を十分に取り除けない場合もあります。
マイクロエンドでは、視野を拡大できるマイクロスコープや目では見えない部分も確認できる歯科用CTを活用し、根管の形状や病巣の状態を詳細に把握することで、より精度の高い治療をご提供します。
精密な根管治療を行なうために
当クリニックでは精密な根管治療を行なうために以下の設備を導入しています。
マイクロスコープ
裸眼の約2~24倍に視野を拡大できる歯科用顕微鏡です。裸眼では確認できない根管内の深部をしっかりと確認しながら、感染した組織をより的確に取り除けます。
歯科用CT
撮影した画像データから3D画像を作製できる撮影装置です。根管の形状、根管内の歯髄や血管の状態などを三次元的かつ詳細に把握できます。
ニッケルチタンファイル
細菌に完成した歯髄や血管を取り除く際に使用する器具です。ステンレス製の器具よりも柔軟性に優れており、幅広いタイプの根管に対応できます。
根管拡大装置
ニッケルチタンファイルと一緒に使用する電動式ハンドピースです。
繊細な動作でファイルの食込み・破折を軽減するOTR(オプティマムトルクリバース)機能と根管長測定機能の連動により、効率のよい根管拡大形成が行える新しい歯内療法機器です。
ラバーダム
ラバーダムはゴム製のシートのことをいいます。ラバーダムで患部以外の部分を覆うことで、細菌の侵入や使用器具の誤飲・誤嚥を防ぎ、治療の安全性を高めます。
マイクロサージェリー
(外科的歯内療法)
Microsurgery
マイクロサージェリー
(外科的歯内療法)とは
基本的には体への負担を最小限に抑える治療を目指していますが、精密根管治療を行なっても症状を改善できないようなケースでは、マイクロサージェリー(外科的歯内療法)を行ないます。以下のようなケースではマイクロサージェリーを選択することが多くなります。
また、マイクロサージェリーのおもな治療方法としては、歯根先端切除術と歯根嚢胞摘出術があります。
- 根管治療だけでは病変が小さくならない場合
- 歯根の先端が破折してしまっている場合
- 根管が細く複雑で、治療用器具が根管内に入らない場合
- 根管内の感染が歯根の外側にまで拡がっている場合
- 以前の治療で根管内に詰めた薬剤が外に飛び出して除去できない場合
歯根端切除術
(しこんたんせつじょじゅつ)
歯根の先端が細菌によって感染を起こしている場合に、歯根の先端を削り取る処置です。
病巣がある歯根の先端を切削器具で削り取り、細菌の再感染を防ぐためのセメントを詰めて封鎖することで、症状の改善を図ります。
歯根の先端に膿が溜まり、歯肉が腫れて痛むような場合には、歯根先端切除術を行なう前に歯根嚢胞摘出術を行なうこともあります。
歯根嚢胞摘出術
(しこんのうほうてきしゅつじゅつ)
細菌による炎症が歯根の先端から骨にまで波及し、歯根の先端に膿が袋状に溜まっている場合に膿を取り除く処置です。
患部の周囲の骨を削って袋状の膿を露出し、スプーン状の器具を使って膿を骨から剥離して取り除きます。マイクロスコープの拡大視野下で処置を行なうと膿の取り残しが起こりにくく、再発の防止も期待できます。
抜歯を迷われる方へ
患者様の大切な歯ではありますが、症例によっては抜歯を選択したほうがよい場合もあります。当クリニックでは、抜歯と歯を残すことのどちらが患者様のお口の健康のためにより良い選択なのかを、インプラントに精通した歯科医師とも連携しながら十分に検討したうえで治療計画をご提案します。
(※治療で使用する被せ物には健康保険は適用できません。)
また、まずは話を聞きたいという方のために、根管治療の無料カウンセリングを実施しています。レントゲン撮影を行なったうえで、15~30分ほど治療の概要を丁寧にご説明します。オンラインでの対応も可能ですので、どうぞお気軽にご相談ください。
- ・治療内容によっては保険診療となりますが、機能性を重視する場合は自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
- ・根管治療を行なうと、歯の構造が筒状になるため、歯が破折しやすくなります。
- ・再度根管治療を行なうとさらに根管壁が薄くなり、より歯が破折しやすくなりますが、コア(土台)と被せ物を接着力に優れたセメントで接着し、歯・コア・被せ物を一体化させることで、破折のリスクを抑えられます。
- ・再度根管治療を行なっても、予後が悪くなってしまうことがあります。このような場合は、外科的な治療で対応することがあります。